僕はドラクエが大好きです。それをまず言っておきます。
ドラクエのいいところは語り出すとキリがないので、やめておきますが、とにかく、ドラクエと出会えた人生でよかったと思っています。
その上で今日言いたいこと……。
ご存じのことと思いますが、ドラクエの主人公はしゃべりません。
ドラクエでは主人公=プレイヤー自身の方式をとっています。そのため、主人公のセリフが出てこないのです。何をしゃべっているのかはゲームをプレーしている人が自身の想像力で補いましょうというわけです。
他の映画、ドラマなどのように、主人公がその人物として話し、動いているのを見て楽しむものではなく、ドラクエにおいて主人公はあなた自身なのだから、主人公の行動もセリフもあなた次第なのですよと。
この、やり方。正直、うまくいっていないと思うんです。
「なんか違うような気がする」と気になるようになったのは、ドラクエ6から。
1~5までは、主人公がしゃべらないことが気になっていませんでした。というのも、他のキャラクターもそんなにしゃべっていないからです。主人公だけがしゃべらないということをあまり異常に感じなかったのです。
ところが、6から、周りのキャラクターがよくしゃべるのに、主人公がしゃべらないことが「こいつだけ妙に浮いている」と感じるようになりました。
当時、中学生だった僕は、HSPをこじらせ、自分の感覚と周囲の感覚のズレに戸惑い、自分を表現することが苦手になり「しゃべらない子」になっていました。
家電屋で何か買うときも、親に「これが欲しかったんだろ?」「この色でいいんだろ?」などと聞かれて、ようやく「うん」とか答える自分が、なんとも弱々しく、情けなく感じていました。
当然、そういう自分のことは好きではなく、ドラクエの世界の中くらい、かっこいい自分でありたいと願っていたのに、ハッサンなどの仲間キャラクターに「助けてやろうぜ。お前も助けたいんだろ?」などと聞かれ「はい」とか答えている主人公がいる。
自分から言い出せず、人に促されてからやっと言う感じ。まるでいつもの自分を見ているようで、なんとも嫌な気持ちになりました。
その後も、ドラクエ7、8でも同様の感覚は続きました。特に、8では周りの会話に参加せず、いつも同じ顔をして、つられる踊りにつられて踊っているこいつのどこがいいのか、なぜ慕っているのか、ヤンガスの気持ちがわかりませんでした。
全体的に見れば、ドラクエは楽しいし、好きなところの方がずっと多いです。でも、そこだけ気になっています。
最新のドラクエ11はまだやっていないのでわかりません。
ただ、昔は、しゃべならい自分を劣った存在だと思っていましたが、今は「しゃべらない=劣っている」がただの偏見だとわかっているので、仮にドラクエの主人公がしゃべらない主人公でも、よくしゃべる主人公でも、どちらでもいいと思っています。
今なら、主人公しゃべらないシステムのドラクエも、もう少しうまく楽しめるような気がします。
早くドラクエ11やってみたいです。