人間には二通りいます。Kindleで本を出した人と出してない人です。
自分もいつか電子書籍を出してみようかなと考えている方もいるでしょう。
Kindleで本を出している一人である僕が、先輩風を吹かせて、「こんな風にしたらできるよ」と、出版までに踏んだ手順をさらっとご紹介します。
電子書籍の出し方を詳しく紹介しているサイトはいくらでもあるんですが、詳しくなればなるほど難しく感じてしまうと思うので、全体をざっと確認する程度にまとめます。
原稿を書く
まずは原稿を書きましょう。「まずは」とか言って、一番大変なところなんですけどね。
テキストエディタを準備しておこう
電子書籍の原稿ってワープロソフトとかじゃないとダメ? とか疑問かもしれません。別に、パソコンで文章が書けるソフトなら何でもいいんです。好きなソフトを使って書きましょう。
ただ、僕の紹介するやり方では、最終的に、テキスト形式の原稿を元にEPUB(電子書籍)を作ることになるので、何で原稿を書いても、最終的にテキストエディタにコピーするものだと頭に入れておきましょう。もちろん、最初からテキストエディタで書いてもいいですし。
テキストエディタはWindowsだとはじめから「メモ帳」が入っています。それでもなんとかなりますけど、もっといいテキストエディタがあると便利です。検索・置換機能が優れたものは校正のときなど便利です。
縦書きの本を出したい人は、テキストエディタとして、このあと紹介する「TATEditor」がおすすめです。
僕の書き方
Dynalistで書く
参考までに、僕が執筆のために使用したソフトですが、まず、クラウドアウトライナーDynalistで下書きをしました。
DropboxPaperで仕上げる
Dynalistで書いた下書きを、DropboxPaperで構成。ここで、読み直しては修正を何度も何度も繰り返しました。
DropboxPaperは右にコメントを書くことができるので、気になった点などをメモできて便利です。
画像を見ると、漢字で表記するか、ひらがなで表記するか、表記の統一など、かなり細かいところまでこだわって書いていることが読み取れます。
縦書き用原稿に直す
僕は縦書きの本を出したかったので、横で書いたものを、縦書きに直す必要がありました。
縦書きに直す際には「TATEditor」というフリーソフトをダウンロードして使わせてもらいました。
DropboxPaperの原稿を TATEditor に書き出して、読んでみて縦書き表記でおかしい箇所(数字の表記など)を修正しておきます。
TATEditorはテキストエディタなので、このあとのEPUB変換作業でも、そのまま使えました。
これで原稿は完成。
表紙を作る
原稿ができたら表紙を作ります。
表紙をどう作ったかは、こちらに書きました。
EPUB形式の本を作る
Amazonで電子書籍を出す方法はいろいろあります。
たとえば、表紙画像とWordで作った原稿をアップロードして、Amazonに本を作ってもらうこともできます。あまり細かいことにこだわらず、内容だけを伝えたいなら、そのやり方が一番簡単かもしれません。
でも、僕の場合、縦書きにしたいなどのこだわりがあったので、EPUB形式のファイルを作ることにしました。
EPUB形式はまさに、電子書籍そのものを表す形式です。普通のテキスト形式の原稿も、EPUB形式に変換することで、電子書籍として扱ってもらえるというわけです。
つまりAmazonに原稿を送って本を作ってもらうというより、ある程度こっちで本の形を作って、それをAmazonで売るというイメージです。
作った表紙画像と、TATEditorを使って用意したテキスト原稿からEPUB形式のファイルを生成します。
その際、利用したのは、でんでんコンバーターというサービスです。
「でんでんマークダウン」の書き方に従って、テキスト原稿をEPUBに変換するための下ごしらえ的な作業をする必要がありますが、そんなに難しいことはありません。
10万字を超える本でしたが、ほぼテキストだけなので、エラーもなく、無事EPUBファイルを作ることに成功しました。
AmazonKindleダイレクトパブリッシングに登録する
さ、これで、EPUB形式の本と、表紙画像がそろいました。その二つがあれば、もうAmazonで本を出すことができます。
あとは、AmazonのKindleダイレクトパブリッシングの指示に従い、自分の名前とか住所とかを登録して、自由に価格を設定して、商品紹介文を書いたり、売上金の振り込み先の口座を登録したりすれば、Amazonに本が並びます。
ここまで、全部無料でできます。「Dynalist」「DropboxPaper」「TATEditor」「でんでんコンバーター」「Kindleダイレクトパブリッシング」全て無料で利用できます。かかるのはネットの通信費だけです。
簡単です! と言いたいんですけどね……。まあ、本を出すことそのもの(仕組みとか手順)は簡単なんです。
でも、内容を考えて、売るための作戦を考えて、間違いのないように細心の注意を払って……。神経のすり減る仕事ばかりで、全然簡単じゃないです。
大変だけど頑張って下さい。