2021年12月。いつも自分の手元に置いて、さっと手に取って使えるタブレットの購入を考えていました。
条件は、10~11インチくらいの大きさで、ペンが本体に取り付けられて、手書きノートとしても使えるものです。
その条件だとiPadAirかProが思い浮かびそうですが、Apple嫌いだからiPadを避けたい気持ちがあったのと、PCとして使えるSurface Go3かHPChromebook x2 11のどちらかにすれば、ブログ執筆など仕事でも活躍間違いなしと考え、そのどちらかに絞りました。
Surface Go3はマイクロソフト10.5インチのタブレットにもなるWindows11搭載マシンです。
HPChromebook x2 11(以下x211)は11インチのタブレットにもなるChromebookです。
どちらもキーボードの取り外しができる、着脱式2in1タブレットPCです。
どちらも形こそタブレットですが「小さなパソコン」です。AndroidタブレットやiPadはOSの設計的にはいわば「大きなスマホ」なので、そこに大きな差があります。
マルチウィンドウで、PC向けサイトを表示したり、大きな画面に出力して作業したりもできます。普段デスクトップパソコンでやっているような作業もその場でできてしまいます。そこはiPadやAndroidタブレットにはない魅力です。
メインタブレットとして使いたい
いくらタッチパネルだろうが、360度画面が回ろうが、13~14インチのノートPCを普段使いのタブレットとしてつかう気にはなりません。重すぎます。ゴリラじゃあるまいし。
しかし、Surface Go3かx211ならPCでありながら、片手で持って、ごろごろしながらショッピングサイトを見るみたい「ザ・タブレット」な使い方もできるので、とても守備範囲が広いです。
僕としては、メインでいつも持ち歩き、普段はごろごろしながら使うようなタブレットとして気軽に使いつつ、必要とあらばキーボードを付けてパソコンとしてシームレスに作業にとりかかるという使い方をしたいので、そんな想定で調査しました。
この2台は、大きさや見た目だけでなく、性能も価格帯もわりと近いところにある印象です。どちらも底中高で言えば中くらいのスペックですが、一般人の日常用途には十分です。どちらも10万円しないくらいで入手できます。
特にSurface Go3について調べてみると、Surface Goは全シリーズ通して「サブ機としてならグッド」みたいな評価ばかり。エビに対して「プリプリ」と言うのと同じようにSurface Goには「サブ機サブ機」。「サブ機」のレッテルを永遠に背負い続ける宿命に生まれてしまったのがSurface Goシリーズなのです。
なんかかわいそうなので、せめて僕くらいはSurface Go3に対して「あなたをメインタブレットとしてお迎えしたい」と言って喜ばせてあげたいものだと思いました。
比べてみよう
さて、どちらを買うか。簡単に比較してみます。
Surface Go3 | HPChromebook x2 11 | |
OS | Windows11 | ChromeOS |
プロセッサ | Pentium Gold 6500Y もしくは Corei3-10100Y | Snapdragon7c |
画面 | 10.5インチ(1920 x 1280) 画面比率3:2 | 11インチ(2160×1440) 3:2 |
メモリー | 4GBか8GB | 4GBか8GB |
ストレージ | eMMC 64 GBあるいは SSD 128 GB | eMMC 64 GB かeMMC 128 GB |
重さ | 本体のみ 544g? キーボード込み 800g弱 | 本体のみ 560g カバーとキーボード込み 1.03kg |
キーボード | 別売り 1万円程度 | 付属 |
ペン | 別売り 純正品1万円程度 ただし、2~3千円で買える対応製品もある | 別売り 7~8千円程度 |
価格 | 65780円~ ただし買うとしたらRAM8GB以上にしたいので 85580円~になりそう | 定価82500円~ ただしセールを利用するともっと安く買える |
スペック表を比較しても、OSが違うから比較しにくいし、どちらかが圧倒しているような部分もありません。
実際のところは使ってみないとわからないので、ポイントになりそうな部分をピックアップしてみます。
なお、構成によって価格は大きく変わります。個人的にLTEは必要ないので、その分安く買えるものを選びたいと考えていました。
OS
一番の違いはOSです。WindowsかChromebookか。ちなみにChromebookは使ったことがなく、Windows11も使ったことがありませんでした。
Windowsの場合、普段のデスクトップPCと同じ環境が再現できるのが魅力です。特に文字入力にATOKが使えるのが嬉しいところです。Windowsソフトも使えて、Androidアプリにも対応するということなので、Windowsの方ができることは多いです。
手書きノートの利用を考えると、WindowsならOneNoteが使いやすいし、付箋アプリに手書きメモを残してOneNoteに取り込むような使い方も良さそうです。スマホもGalaxyNoteを使っているので、Samsunとマイクロソフトの提携のおかげでいろいろな面でWindowsならスマホとも相性はよさそう。
Windowsなら使い慣れているから、使い方のビジョンもイメージしやすいです。
さらに、「近いスペックならChromebookの方が速いのでは?」というイメージも、そうとは言えないという検証動画も見つけました(https://youtu.be/U_2UBQrnwUA)。
重さ(キックスタンド)
Surface Go3は本体自体にキックスタンドが付いています。一方、x211はキックスタンドになる背面カバーを取り付ける形になります。
背面カバーは結構重さがあるので、重さという点では、付けずに使えるSurface Go3の方に軍配が上がりそうです。
キーボード
キーボードは、見た感じSurfaceの方が配置が綺麗に見えます。
Surface Go3は別売り、x211は付属です。
付属だと一度に手に入るので楽ですが、別売りにもメリットがあって、Surface Goは好きな色が選べたりしますし、セールや中古で安く手に入る可能性もあります。
またSurface Goのキーボードはシリーズ共通なので、Surface Go3にして、その後4や5に乗り換えてもそのまま使える可能性がありますが、x211の方はこれ専用なので、その期待はできません。
ペン
ペンはx2 11の場合、usiペンが使えますが、本体にくっつけたいので、別売りのチャージャブルペンを購入することになりそうです。
Surface Go3は、純正ペンもありますが、対応ペンがたくさん出ていて、Amazonとかで自由に選んで買えます。2千円台の安いのもあり、それで十分な気がします。
結局Chromebookの方にした
これらの比較から、Surface Go3の方がメリットが多そうだと思い、Surface Go3を買う手前まで来ました。
しかし、思いとどまり、結局、最終的に僕が選んだのはHPChromebookX211の方でした。
Surface Go3に対しては「やっぱりお前はサブ機だったな」と言わなければなりません。
Chromebookを選んだ理由をまとめてみます。
現段階ではChromebookの方がタブレットとして使いやすそう
結局、のんびり使うタブレットとしての用途がメインだから、そこまでPCとしての役割が強くなくてもいいんじゃないかということです。
SurfaceGoとiPadどちらをより使っているのかという動画を見たのですが(https://youtu.be/vnksBwIFTp8)、やはり、Surface GoよりiPadを使ってしまうという話です。基本的な用途では、iPadの方がスピーディー。Surface Goはワンテンポ遅れてしまうとのこと。
Go3になって進化しているとはいえ、Windowsを長年使ってきた経験から、その感覚はわかる気がしました。Windowsは指メインで操作するにはPC色が強すぎます。タブレットメインで使うなら、タッチ操作に最適化されている端末の方が使いやすいでしょう。
ChromebookはAndroidアプリが使えて、タブレットとPCのいいとこ取り設計になっているといいます。WindowsでもAndroidアプリが使えるようになるという話ですが、まだその環境は整っていません。そんなに長く待たなくても、整うのかもしれませんが今に合わせて買うというのが僕のポリシーです。
タブレットとして使うなら、やはりChromebookの方がいいのかなと感じました。
あと、すでにWindowsノートPCを一台持っているってこともあります。ガッツリPC作業がやりたいならそっちでやる手もあります。
安く買えるから
同じくらいの値段だと始めは思ってましたが、実際買うとなると差がつきそうでした。
メインタブレットとして毎日使いたいので、なるべくスペックは欲しいです。
Surface Go3はせっかくのWindowsを活かしたいと、なるべく高いスペックの上位モデルがどうしても欲しくなってしまいます。最低メモリー8GB、ストレージ128GBのやつが欲しい。一方ChromebookはWindowsと比べてできることが限られるので、Snapdragon7cくらいがちょうどいいんです。「あまりスペックが高くてももったいないし」と割り切れるので、いい意味で欲が出ない。
x211のWi-Fiモデルはセールを利用すればペンとセットで6万円台~7万円台。Surface Go3はPentiumのメモリー8GBモデルでも本体だけで8万円くらいで、さらにキーボードとペンを別に買うことになりそう。
ということでx211を選べばSurface Go3より数万円安く買えそうでした。
Chromebookを使ってみたかった
Chromebookを使ったことがなかったので、どんな感じなのか一度試してみたいという好奇心に勝てませんでした。
これからのパソコン人生を考えると、なるべく早い段階でChromebookを経験しておきたかったのです。それだけ。
結論:タブレット重視ならHPChromebook x2 11
x211を買ってみて、結局どうだったのか。それはまた次回レビューしたいと思いますが、今言えるのは、Surface Go3とHPChromebookx211どちらにしても、満足度はそんなに変わらなかったのではないかということです。
どちらを買っても「いいじゃんいいじゃん」と言いながら使っていた気がします。
どちらでも正解だったと同時に、どちらにしても、あるいはiPadを含めてどれにしても、隣の芝が青く見えたように気がします。じっさい、Chromebookを使いながら「Windowsだったら、ATOK使えるのになあ」とか「iPadだったら、もっとペンの入力快適なんだろうなあ」とか何度も思いました。
でも、その一方でChromebookの快適さもちゃんと享受できています。普段使っているGoogleChromeがそのまま使えるので、初めてのOSなのに迷うこともないし、上にシュッとやってアプリを閉じるみたいな、タブレットモード時のジェスチャー機能も快適。やっぱりタブレットとして使うならChromebookで正解だったと信じ込むことにします。
HPChromebook x2 11買いました。