noteで『三刀流修行~中井佑陽インタビュー~』を連載中

トラックボールマウスってどう? ロジクールMX ERGOを1年使った感想

こんにちは。ほとんどのPCデバイス(マウスとかキーボードなど)をロジクールで固めている者です。

たくさんのロジクールをとっかえひっかえして「ロジクールハーレム」を作っている僕ですが、去年も愛用していたM705というマウスがボロくなったので、マウスを買い換えることにしました。その時、目にとまったのがMX ERGO。トラックボールマウスです。

トラックボールマウスは、普通のマウスと違って、ボールを親指で転がすことによって、画面上のカーソルを移動させる設計になっています。

MX ERGO
使用時のイメージ

当時トラックボール未経験の僕。物珍しさと好奇心から「それの何がいいのかな?」と調べてみると、「手が疲れにくい」「マウスを動かさないので場所を取らない」といったメリットがあるようでした。

「人間工学に基づいた」「生産性向上に」みたいなことを言われると、これは試す価値はありそうだと思いますし、「普通のマウスを使わず、トラックボールマウスにこだわっている」なんて、いかにも仕事ができそうに見えます。

「今、時代はトラックボールマウスだよね」「気鋭のクリエーターはこれを使うのさ」と普通のマウスを使っている人々を見下して優越感に浸るチャンスです。

絶賛する口コミも多かったので、きっとお気に入りのマウスになると信じて購入しました。

今回は、そんなMX ERGOを1年使っての感想を書きます。個人的な感想ですが、トラックボールマウスが気になっているという人の参考になれば嬉しいです。

M575とMX ERGO

ロジクールのMXシリーズといえば、ロジクール製品の中でもワンランク上の上位モデル。しっかりした作りで高級感があって、かっこいいイメージがあります。マウスは数千円が相場なので、MX ERGOも1万円以上する比較的高級な部類です。

その一方でロジクールはトラックボールマウスの入門機というのか、より手に取りやすい価格のM575というのも出しています。こちらは5000円程度で購入できます。

多くの口コミや意見では「トラックボールマウスが初めてで、Kindleで出した本があまり売れていないような人には、まずこちらがおすすめ」と書いてあります。「じゃあ、僕はそっちを買うべきなのかな? トラックボール初めてだし、Kindleの本も売れてないし……」と当然迷いました。

しかし、僕は最初からMX ERGOに手を出しました。

もしM575を買って、それが気に入った場合、「安い方でさえ、これだけいいのなら、より高級なMX ERGOはどれだけ快適なことだろう」と、どうせMX ERGOが欲しくなって、買い換えることになってしまう。その場合M575は無駄になりかねないと考えたからです。

万が一気に入らなかった場合も「こちらはいまいちだったが、MX ERGOの方だったら使いやすかっただろう、そっちを買っておけば、今頃は……」と後悔しそうな気がしたのです。

1万円を超えるマウス。気軽に買える値段ではありませんでしたが、毎日長い時間使うことが確定しているマウスなので、ケチるのはよくないと、意を決しての購入でした。

しばらく使ってからの感想:普通

使い始めてしばらくした時の感想ですが、一言で言うと…………普通です。

最初こそ、親指でボールを回すのは新鮮でしたが、その感覚にもすぐに慣れて……。何か感動的な感覚が得られるということもなく……。普通に使っていました。

「親指でボールを回すのがエクスタシー」という状態になるに違いないと思っていたので、期待外れです。

親指で操作することが、マウス全体を動かすのと比べて心地いいということはなく、さりとて、やりにくいということもなく。これはこれで普通に使えるなあという感じでした。

手を置いた感じのフィット感がなんとなく気持ちいい気はしましたが、「手が疲れにくい」というのはよくわかりませんでした。机に置いて固定した状態で使うので、手も固定して使う感じになります。本来、それが楽ということなのでしょうが、ずっと同じ姿勢を続けるのはキツいように、同じ手の形を続ける方がなんとなく疲れる気がします。

そんな感じで、感動的な使いやすさや作業効率アップなども特にないまま、「まあ、悪くないな」くらいの感覚でしばらく使っていました。

1年使っての感想:空回りしがち

長い期間使っていたら、空回りしがちになりました。

どういうことかというと、ボールを回しても、カーソルが動かないというか、動きが鈍くなったのです。反応するまで何回も回してみないといけないようなことが多くなったのです。特に左方向に動かないことが多くなりました。

チリ・ホコリみたいな汚れとか、手垢とかが、ボールの裏に入って、中にたまるのかもしれません。それでセンサーの反応が悪くなってるのかな? と思いましたがはっきりとはわかりません。

ボールを取り外して掃除することはできないのですが、底の滑り止めになっている金属を外して、穴に向かって、ファミコンカセットみたいに下から息を吹きかけたりすると、調子がよくなったりします。

MX ERGOの裏側
この穴をフーフーってする

そうやって、たまに手入れしながら「普通に」使っていたのですが、手入れが面倒になってきたので、結局別のマウスを買って今はそちらをメインで使っています。MX ERGOは2軍みたいな扱いになってます。

結論:おすすめはしません

ということで(トラックボールマウスを絶賛されている方も多いので、ちょっと言いにくいですが)、MX ERGOをおすすめすることはしません。悪いとは思いませんでしたが、高かった割に「普通」という感想にとどまったからです。

トラックボールマウスをおすすめするとしたら、ガラステーブルの上や、デコボコしたところ、布団の上のようなふわふわしたところ、自動車の中など、普通のマウスでは上手く使えない場所で使う場合くらいかなと思います。下がどうなっていても関係ないのがトラックボールマウスの利点ですから……。でも、それ以外の用途なら、あえて選ばなくていいと思います。他にいいマウスがありますから。

今メインで使っているのはMX ANYWHERE 3という、MXシリーズのモバイルマウスです。

こちらはすごくいいです。もう、文句の付けようがない優秀なマウスです。

まず、小さいので、場所を取りません。持ち運びに向いています。

机の上を滑るように動いてくれて、力を加えているという認識もないくらい、すごく小さな力で動きます。

少ない移動距離でも画面の隅から隅へカーソルが動き、それでいて、正確で精密なトラッキングができます。ガラス面上でも使えます。自由自在に操れて、全くストレスがないです。

疲れない、場所を取らない(本体が小さくて、動かす範囲も小さくすむため)という部分でもMX ERGOを上回っているように思います。

メインのデスクトップパソコン用にしていますが、それはデスクに置いたままにして、ノートPC用にもう一個欲しいくらいです。

MX ANYWHERE 3とMX ERGO。値段的には同じくらいかMX ANYWHERE 3の方が安いくらいなので、僕はMX ANYWHERE 3をおすすめします。

MX ERGOを購入したことは、トラックボールマウスを試すことができたという意味で後悔はしていませんが(結果がどうあれ、人生で一度は試してみないと気が済まなかったでしょう)、結果を知った今は、MX ANYWHERE 3が2個ある方がいいなというのが正直な気持ちです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です