noteで『三刀流修行~中井佑陽インタビュー~』を連載中

これからタイピングを学びたい人へ 第1回 タイピングの勉強の前に知っておきたいこと

気が付くと誰もがスマートフォンを持っている時代です。友達とLINEなどでメッセージのやり取りをしているのでしょう。親指一本でものすごい速さでメッセージを入力する人々を見かけます。「曲芸かよ」と思います。

僕はスマートフォンでの文字入力がてんでダメ。スマホにメッセージが届くことなどないという環境がそうさせたのでしょう。友達がいないとフリック入力が身につかないのです。しかし、文筆業を営んでいて、文章を書く機会は多く、パソコンのキーボードで文字を入力する機会は多いので、タイピングにはある程度の自信があります。

しかし多くの場合、逆なのでしょう。特に若い人は、スマホは慣れているけど、パソコンはあまり使わない。キーボードはちょっと難しい。だけどこれからパソコンも使えるようにしたい、タイピングの勉強もしなきゃ……と考えている方が多いと思います。そんな方に向けて、タイピングを本格的にやる前に知っておいて欲しいことをお話ししたいと思います。

なお、ここで言うタイピングとは「スキルとしての」タイピングです。ゆっくり文字を打つのならできるけど、カタカタ素早く打てないからできるようになりたいという人向けのお話です。そもそも文字入力の仕方がわからないという方は、この記事の前にパソコン入門書などで学んでみてください。

音声入力が最も速い

まず、耳に入れさせてもらいたい情報があります。

今現在の入力方法で最速なのは音声入力です。昔の音声入力と違い、今は変換の精度が向上し、実用レベルになっています。しゃべる速さで入力できるので圧倒的に早いです。しかも技術が必要ないので楽です。

一生懸命キーボードタイピングを勉強しても練習しても、結局音声入力が一番速いですよというのが現状です。

今後を考えても、おそらく音声入力よりも早い入力方法は存在し得ないのではないでしょうか? (脳で考えた言葉がそのまま文字になれば一番早いのに、と思うことはありますが、もし実現したら「あ、まちがえた、ちがう、けしてほしいの」なども全て入力されてしまうのでとんだポンコツです)

タイピングに熱を入れても、その時間は無駄になりかねません。「タイピングの勉強をするべきではない」ということではなく、これから勉強を始めるなら「あんまり熱を入れるべきではない」と僕は考えています。

僕は普段あまりしゃべらないので、考えながらしゃべるというのがとても苦手なのですが、それでも最近は音声入力に体を慣らすような取り組みをしています。そのくらい音声入力は速くて楽なのです。タイピングもいろいろ研究したので「こんなにタイピング頑張ったのに結局音声入力かよ」と寂しい気持ちにもなります。

音声入力ができる環境を作る

というわけで、タイピングの勉強にはあまり時間をかけないのがおすすめ。その代わり、いかに音声入力が出来る環境を用意するか考えることをお勧めします。コロナ以降、在宅での仕事も推奨されていますし、ノートパソコンを持ってカラオケ屋で仕事をする等の手も考えられます。

音声入力のくわしいやり方はここでは解説しません。

パソコンで音声入力をする場合、マイクが必要になります。内蔵マイクや、外付けスタンドマイクなどでもいいのですが、ヘッドセットがあると便利です。

ヘッドセットがあると常に口元にマイクがある状態ですので、パソコンから離れても、どんな体勢をとっていても、呟くくらいの声の大きさでもちゃんと声を拾ってくれます。僕の場合、ゲームにも使えるので、こういうゲーミングヘッドセットを使っています。

キーボードも(ある程度)使えるようにする

音声入力が使える環境なら、なるべく音声入力を使いたいですが、自宅だけで仕事するわけでもないし、人の多い職場やカフェや図書館など、場所によってはなかなか音声入力というわけにもいかないでしょう。

また音声入力が出来る環境であっても、全て音声入力だけでまかなえるということはありません。変換ミスの修正を行ったり、上手く聞き取ってもらえなかった時の修正を行ったりするのにキーボード入力が必要になります。

つまり、結局のところタイピングの勉強は必要です。ですが、キーボードによるタイピングは、文字を入力しようと思ったとき、それしか選択肢のなかった昔と比べて重要度が低くなっているということを、頭の片隅に入れ、ゆっくり、それなりに勉強していけばいいと思います。

タイピングのスピードを上げるための練習はせず、可能な限り音声入力を使い、タイピングは、普通に使っているうちにだんだん慣れて速くなるという、自然に任せる戦法がおすすめです。

キーボードでの文字入力の方式

ゆっくりタイピングを覚えて行きたいのですが、一般的にはローマ字入力が最も使われる入力方法です。ということで、文字入力=ローマ字入力ということになりがちです。とはいえ、そこに決めつけず、他の可能性を検討することは大事だと思います。ローマ字以外の可能性……具体的には「かな入力」「親指シフト」です。

ローマ字入力

もっとも一般的な方法です。使うキーが少ないため、最も早く覚えられるやり方でしょう。僕が小学校に教育実習にいったとき、ローマ字の勉強とセットでパソコンでのローマ字入力を教えました。

覚えやすい半面、「p」「e」で「ぺ」など、一文字入力するために、母音と子音で2回以上キーを押さなければならないことが多いという弱点があります。

かな入力

キーボードに書かれたひらがなで入力する方法です。使うキーは多く覚えるのは大変だけど、母音と子音で分けて押す必要はなく、押す回数は一回で済むので、覚えてしまえばローマ字入力より速く打てるようになるでしょう。

親指シフト

かな入力の発展版みたいな感じでしょうか。詳しい解説はしませんが、一つのキーに2つのひらがなが割り当てられていて、親指でスイッチキーを押して切り替えながら打ちます。かな入力同様、母音と子音で2回押す必要がなく効率的。切り替え用のキーと文字キーを同時に押せるので、切り替えにもタイムロスが生じません。使うキーも少なく、指を動かす範囲が狭いので、一度覚えてしまえば、最もスピードの出るやり方だと思われます。

それでも、やはりおすすめはローマ字入力

本当に入力スピードにこだわるのであれば、一文字を一発で入力できる「かな入力」「親指シフト」が大きな選択肢になってくると思います。しかし、音声入力が発達した今、あえて時間をかけてそれらを習得するメリットは薄いのではないかと思います。

「かな入力」にしても「親指シフト」にしても、覚えるのに時間がかかります。そうして覚えても、スピードにおいて音声入力に勝てないとしたら、その時間をかける価値があるかは疑問です。

ローマ字入力には最も一般的で、汎用性があるというメリットがあります。このメリットが結構大きいのです。

自分用に設定したパソコンが常に使えるなら問題ありませんが、会社にある共用のパソコンを使う場合や、教えるために一時的に人のパソコンを使う場面、ネットカフェのパソコンを使うときなど、自分用パソコンが使えないシーンは、生きていると結構出てきます。そのパソコンは大抵ローマ字入力で設定されているものです。そんなとき、「親指シフト」を覚えていても、その都度「親指シフト」に設定しなければ文字が打てないのでは、面倒です。結局我慢して慣れないローマ字で打つことになるかもしれません。

最初からローマ字入力に絞って覚えていくのが、無難で手っ取り早く、僕としてはおすすめです。

もちろん、環境や事情は人によりけりです。音声入力は絶対無理で、かつスピードのあるタイピングをしたいなら、ローマ字入力以外の方法も視野に入れてみましょう。

次回予告

今回、タイピングを学ぶ前に前もって知っておきたいことを書いてみました。

次回はいよいよタイピングのことです。ローマ字入力のタッチタイピングについてお話していきます。

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