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音楽生成AI「SUNO」ざっくり使い方解説

先日、音楽生成AI「SUNO」を使って演歌を一曲作りました。

SUNOを使って曲を作った先輩として、まだやったことのない後輩達に向けてざっくりと使い方を解説します。

SUNOとは

なぜか「SUNO AI」と呼ばれることが多いですが、公式が自分のことを「SUNO AI」と呼んでいないようなので、僕は「SUNO」とAIを付けずに呼ぶことにしています。

音楽生成AIサービスはいくつか存在していますが、現時点ではSUNOはあらゆる面でトップを走っている印象です。

最新AIについて幅広く勉強したいという人も、音楽生成AIはとりあえずSUNOだけ押さえておけばOKというくらいの強さを感じます。

歌ものも、インストも、あらゆるジャンルの音楽が作れますし、上で紹介した演歌のように日本語の曲も綺麗に作れます。

個人的にはオリジナル曲を歌うシンガーソングライター活動にチャレンジしたいと思っているのですが、メロディーをアップロードしたらSUNOが伴奏を付けてくれるみたいな機能もあるので、将来的にはその方法でオリジナルソングを作ってみようと考えています。

有料版と無料版の違い

さて、SUNOは無料でも使うことができますが、作った曲を売りたいなど、商用利用を考えるなら有料バージョンにする必要があります。

商用利用を考えてなくても、たとえばYouTubeなどで発表したいという志があるなら、迷わず有料にした方がいいでしょう。

有料モデルの方がクオリティの高い曲ができますし、発表した曲が爆発的な人気曲になっちゃうかもしれないですから。有料化すると、曲の権利は自分が持てることになりますから、そこから何かしらの利益が生まれるかもしれません。

有料にすると得られる主なメリット
  • 最新のモデルが使える
  • 使えるクレジットがすんごく増える(無料プラン10曲分、プロプラン500曲分)
  • 商用利用が可能になる
  • 使える機能が増える

曲作りの流れ

では曲を生成してみましょう。SimpleモードとCustomモードがあります。

Simpleモードは「こんな曲を作って!」とSUNOにお題を出すと簡単に曲を作ってくれるモード。歌詞も自動生成してくれます。手っ取り早いモードです。

指示文(プロンプト)を書き込んでCreateボタンを押すだけ。日本語でも大丈夫です。

プロンプトが思い浮かばないとか、曲の感じを伝えるための音楽的な語彙がないんだけど……なんて場合は「SUNO プロンプト」などで検索してみると参考になるものが見つかるでしょう。

たとえば、こちらのサイトではいろいろなプロンプトがコピーして使える形でリストアップしてまとめられています。

自分で歌詞を指定したいなど、作り込みたい場合Customモードを使います。Customモードは、Lyricsのところに歌詞、stylesのところにプロンプトを書いて生成します。

ちなみに、プロンプトでいうと、僕が作った『後悔の火』は「演歌、女性ボーカル、enka、悲哀」の4つのキーワードを入れただけです。もっとゴテゴテなプロンプトでもやってみたのですが、シンプルな方がいいのができたという感じでした。

そのへんは、いろいろなプロンプトを足したり引いたりしながら、何度も何度も実験を繰り返して、いいのができるまで生成を続けるしかありません。結局僕の場合200回生成しました。

大変ではありますが、「どんなのができるかな」ってワクワクがあって楽しい時間ですよ。

歌詞の書き方

歌詞の記入方法ですが、まず僕の『後悔の火』の例を載せておきます。

歌詞をひらがなで入力して生成する

SUNOではよく漢字の読み間違いが起こります。その度に生成し直さなきゃいけなくなるので手間です。

最初から全てひらがなにすると漢字の読み間違いがなくなるので、手間が減ります。

曲が出来てから表示を漢字に戻すことができるので、生成するときはいったんひらがなにしておくのがおすすめです。

メタタグを入れる

[Intro][Verse]といった文字があります。これらはメタタグと呼ばれるものです。曲の構成等を示す重要な役割を果たします。

歌の場合1番、2番と同じメロディーを繰り返すと思いますが、[Verse]や[Chorus]といったメタタグで歌詞のまとまりを示してあげることで、そこをきちんと同じメロディーで歌ってくれます。

以下の表は、Sunoでより細かな楽曲構成や雰囲気を指示するために使用できる主なメタタグと、その意味をまとめたものです(Geminiに作ってもらいました)。歌詞の任意の場所に[タグ]の形式で挿入することで効果を発揮します。

メタタグ意味
[Intro]楽曲の導入部。通常はインストゥルメンタルや短いフレーズが挿入されます。
[Verse]Aメロ、Bメロといった楽曲の主旋律が展開される部分。歌詞が最も多く含まれるセクションです。
[Chorus]サビ。繰り返される部分で、キャッチーなメロディが特徴です。
[Bridge]楽曲の転調や変化をもたらす部分。コーラスとは異なるメロディやコード進行で、曲の後半を盛り上げる目的で使われます。
[Hook]楽曲の中で特に印象的で耳に残るフレーズやメロディ。サビと同じ意味で使われることもあります。
[Pre-Chorus]コーラスの直前にある部分。コーラスへのつなぎとして使われます。
[Post-Chorus]コーラスの直後にある部分。コーラスの余韻を残すために使われます。
[Outro] / [Ending]楽曲の締めくくり。通常、徐々に音が小さくなって終わるフェードアウトなどに使われます。
[Interlude]歌詞のない間奏部分。
[Breakdown]楽曲のテンションを一時的に下げる、静かになるセクション。
[Instrumental]楽器のみで演奏される部分。
[Male Vocal]男性ボーカルで歌わせたい場合に使用します。
[Female Vocal]女性ボーカルで歌わせたい場合に使用します。
[Spoken]セリフや語りのように、歌ではなく話すように歌わせたい場合に使用します。
[Whisper]ささやくように歌わせたい場合に使用します。
[Screaming]叫ぶように歌わせたい場合に使用します。

便利な機能

さて、以上のやり方で、気に入った曲が一発で誕生するならいいのですが、実際には「ちょっと違うんだよなあ」という曲が出来上がることが多いわけです。

そこで、その「ちょっと違う」の「ちょっと」を変えるために役立つ機能を紹介していきます。

(もし「全然違う」なら、プロンプトを変えて最初から生成しなおしましょう)

Extend(エクステンド)

Extendは続きを作る機能です。曲調を保ったまま続きを作ってくれるので、全然別の雰囲気の曲が出来てしまうという悲劇は起きません。

単純に曲を延長するのにも使えますが、どこから続きを作るのか指定できるので「ここまではよかったんだよなあ」というところを指定して、そこから先を改めて作り直すことができます。

たとえばAメロは良かったけど、その後がよくなかったらExtendで続きを生成。「Bメロまでは良かったけどサビが……」となったら、またそこからExtend。

これを繰り返すことで、最後まで気に入ったメロディーの曲ができるわけです。

Persona(ペルソナ)

特定のボーカルの音色やスタイルを「ペルソナ」として保存し、再利用する機能。好きなボーカルの歌声を持つ曲から「Persona」を作成することで、複数の楽曲で同じボーカルを使い続けることができます。

つまり、「曲はイメージと違うけど、声はイメージ通りなんだよなあ」といった場合、Persona登録しておけば、そのボーカルの声を別の曲を生成する時に使えるようになるというわけです。

Personaを保存したい曲を選んだら、3点メニューから「Create」→「Make Persona」で登録できます。

登録したPersonaはCustomモードの「+Persona」から使うことができます。

Cover(カバー)

Coverは他の曲のメロディーはそのままで、別アレンジバージョンを作る機能です。ロックの曲をバラード調にするなどが可能です。

しかし、僕の思うおすすめの使い方はアレンジなどを変えずに、同じプロンプトでCoverすることで「最後の仕上げ」として使うことです。

途中まで良かった曲をExtendで引き延ばしたり、余分に生成されてしまった部分を削ったりしながら、最終的に最後まで気に入るメロディーの曲が出来上がったとします。

でもそうやって作った曲はカットした跡が残るつぎはぎだらけの曲だったり、声に一貫性がなかったり、違和感が残ります。

そこで、そのつぎはぎだらけの曲を好きなPersonaを使ってCoverする。

そうすれば、最初から最後まで破綻のない、綺麗な曲が出来上がるというわけです。

Coverはカバーしたい曲を選んで、メニューからRemix/Edit→Coverで使えます。

その他の機能

他にも使える編集機能がいろいろあります。

Editorでの編集や、Crop(切り取り)やReplaceSection(置き換え)などの機能があって便利そうには見えますが、実際使ってみたところ、あまり思い通りにならないことが多かったです。時間ばかり食ってしまうように感じました。

もっとも、使い慣れれば、これらを使って、いい部分を荒つなぎしてCoverで仕上げるという流れにうまく持って行けるのかもしれませんが……。

慣れないうちはやはり、「Extend」「Persona」「Cover」の3つを中心でやっていくのが早いし、うまくいく気がします。

以上をふまえてSUNOを使って曲を仕上げるまでのおすすめの流れをまとめることにします。

SUNOで気に入った一曲を作るまでのおすすめの手順

あとがき

以上、ざっくりとした使い方の紹介でした。SUNO自体の仕様もどんどん変わっていくと思うので、あまり細かい使い方の解説は省きました。

今回、一曲の演歌を作るために、200曲分の生成を行いました。演歌っぽくないキーワードで演歌を作りたいという試みだったので、「わかりやすい演歌ならどんな曲でもいい」と、そんなにこだわらず使ってみました。それでも、「なんか変」「違和感が酷い」などの理由で何度もやり直しを余儀なくされました。気に入る曲が出来上がるまでには、それだけたくさんの生成が必要で、たくさんのクレジットを消費しました。

ということは、こだわりが多いほど、それを狙って生成するのは難しいだろうなと感じました。

SUNOの使い方として、「いい感じになるなら、どんな曲でもいいよ、お任せしますよ」くらいのこだわりのなさで臨むことをおすすめします。細かいことを気にし始めると、たぶん沼にはまります。

さて、SUNOにはまだまだ機能があるのですが、他の機能に関しては今回は僕も使っていないのでわかりません。また使う機会があったらレポートするかもしれません。

SUNOは作った曲を公開するSNS的なスペースもあって、僕は「ゆひさん」という名前で登録してます。今後も何か作ったら公開していくので、よかったら遊びに来てください。

https://suno.com/@exhilaratingbrutalprog7085

なお、SUNOについて学ぶ際、YouTubeの「あずきちゃんねる」がとても参考になりましたので紹介しておきます。

では。また次回。